心臓震盪からこどもを救おう
心臓震盪とは胸部に衝撃が加わることによって、心室細動が誘発され心臓が停止してしまう状態です。
発症者の大半はこどもで、こどもの胸郭は柔らかく、外部からの衝撃が心臓に伝わりやすいからだと考えられます。
最近のデータではスポーツ中の突然死の約20%が心臓震盪によると考えられます。
心臓震盪は致死的な不整脈が原因となる機能的な障害なので、比較的弱い衝撃でも起こり、骨折や心筋が傷害されることはありません。
心臓震盪の発症は、事前の健康診断などで予測することはできません。
もしも発症してしまったら、電気ショックによる除細動が唯一の治療法です。
心室細動が発症してから1分毎に10%ずつ除細動による治療成功率は低下します。
心臓震盪の治療は時間との勝負ですから、その場にいあわせた人がその場で除細動を行うのが理想です。 そのためにはAEDが不可欠といえます。
国内症例における胸部への衝撃手段(輿水ら、2005年6月30日現在)
野球のボール(硬式) 6例
野球のボール(軟式) 2例
ソフトボール(革製) 1例
金属バット(ソフトボール) 1例
拳(少林寺拳法) 1例
手掌(兄弟喧嘩) 1例
肘(夫婦喧嘩の仲裁) 1例
心臓震盪からこどもを救うには
すべての学校と運動競技施設にAEDの設置を義務付けるのが理想です。
また、すべての人が心肺蘇生法を身につけることも重要です。
人工呼吸や心臓マッサージの講習はやや時間もかかりますが、AEDの講習だけなら簡単です。
せめて「AEDだけは使える」ようになりたいものです。